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そして空中で打ち合いを続ける2人の戦いも佳境に入る。
(マジでなんなんだコイツは!?もう飛行を使いこなしてきてる…。それに、さっきより速ぇ…!)
ブラッドは焦り始める。
ロアの勢いは増していくばかりだ。
「そこだっ!!」
ロアの剣はブラッドの右翼の先端を斬り裂いた。
それによりブラッドのアーマーは飛行バランスを失う。
「うわぁ!?」
さらにロアは剣を振り下ろす。
ブラッドはなんとか受け止めるが、敗北を予感した。
(まだこんな奴が残ってたなんて…!ここは逃げるしかねぇ…!)
「終わりだ!!インセンス兵!」
間髪入れずロアが叫ぶが、ブラッドは咄嗟に状況打破の策を思いついて言った。
「へっ…俺より先に仲間を守ってみろよ」
「なに?」
するとブラッドはスナイプジュピターをグリーフ本陣へ向けて放った。
当たればひとたまりもない。
「くそッ!」
ロアは猛スピードでスナイプジュピターの一撃を追いかける。
スナイプジュピターの攻撃法は2つある。一つは攻撃範囲は狭いがライフルの一撃が速く避けづらい『スナイパーモード』。もう一つはスピードは遅いが広範囲を一度に吹き飛ばす『バスターモード』。
今ブラッドが放った一撃は後者だ。
それが幸いしてか、ロアはギリギリで弾道の先端に追いついた。
そしてシールドでそれを防ぐ。
爆発による衝撃はあったが本陣は何とか無事だった。
「ちっ、大した奴だぜ…」
そう言い残してブラッドはその場を離れていった。
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