初陣

14/15
前へ
/132ページ
次へ
ロアが後ろを振り向くとローガンが跳びながら龍虎砲を構えていた。 「終わりだ!ウル・トラン!!」 ローガンはそのままトランに向けて龍虎砲を放つ。 「おのれ…!」 トランは即座に剣を構えて龍虎砲を受け止めた。 「ぐおおおおおっ!舐めるな!我こそは!インセンス"将軍"ウル・トランなりっ!!」 トランの剣は再び龍虎砲を弾きそうだった。 「くっ!まだそんな力が…!?」 トランのしぶとさにローガンは驚く。 しかし、ロアが言った。 「いいえ、まだです!ここで終わらせます!!」 ロアはスナイプジュピターを"スナイパーモード"にして放った。 その一撃は龍虎砲を食い止めているトランの身体を貫いた。 「ガフっ…!?」 脱力したトランはそのまま龍虎砲の一撃に呑み込まれた。 辺りは爆発音と煙に包まれる。 やがて晴れるとボロボロの状態でトランは倒れていた。 ローガンが様子を見に近づくと、トランは微かに生きていた。 「はぁ…はぁ…まさか我が…不覚…」 「私の龍虎砲をまともに喰らって生きているとはな…。大した男だ」 「グリーフに…まだあんな男がいたとはな…」 「ロアくんか…。おかげで今日の戦いで確信したよ。彼は必ず我々を勝利へと導いてくれるだろう」 それを聞いたトランは息も絶え絶えの状況で笑いだした。 「もう遅い…抵抗するには全てが…な」 「どういう意味だ?」 「直ぐに…わかる」 そう言い残すとトランは息をひきとった。 意味深な発言にローガンは不安になる。 「まだ何かが起こるというのか…?考えたくもない…」 遠くで2人を見ていたロアは物思いにふけっていた。 (昨日までの旧式の俺じゃ勝てなかった…。将軍は強い…。まだまだ、足りない)
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加