咆哮

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「ロアくんか!」 ローガンがそう言うと漆黒のラストアーマーを着た兵率いる一団がやってきた。 「加勢にきました。状況はどうです?」 黒いアーマーを来たロアが聞く。 「魔の大砲に陣形を崩され始めている。このままいけば私の龍虎砲を使わざるをえない」 「それは出来れば避けたいところですね。敵の数は?」 「こちらの兵4000に対し、1500といったところか」 「なるほど、わかりました」 そういうとロアは高台から戦況を見下ろし、魔の大砲の位置を確認する。 「1、2、3、…6台か。なかなか多いですね。副隊長、後方支援と隊の指揮は任せます」 「ああ、任せておけ。好きに暴れろ」 スタットの代から副隊長を務めていたインテグラル・パビリオンは特に心配する様子もなく、軽い口調でロアに言った。 「お、おい、何をするつもりだ!?」 ゼバーンが慌てた様子で言うと、背中越しにロアは一言答えた。 「あの大砲、潰してきますよ」 ロアは高台から勢いよく飛び降り、敵陣に突っ込んでいった。 「ったく、追いかけるのも一苦労だ」 パビリオンも他の兵を連れてそれに続いた。 「め、めちゃくちゃだ!いくら隊長でも驕りが過ぎる!!」 「食らったら終わりだ!今すぐ止めさせろ!あの手をつけられなかったグランですら翻弄されたのだぞ!!」 指揮官達は口々に言うがローガンがそれを制する。 「ここは任せましょう。戦場に入った彼には鬼気迫るものがあります。それはまさに獣が咆哮するが如くです」 指揮官達が黙った後、ローガンは小さく一言呟いた。 「もしかしたら彼は…スタット殿を超える男かも知れないのですから…」
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