咆哮

3/4
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
「なんだあれは?」 「何かが突っ込んでくるぞ!?」 "黒い何か"が真っ直ぐこちらに飛んできているのを見てインセンス兵は慌てふためいた。 「もしかしたら、最近うちの兵が立て続けにやられているアレじゃないのか?」 「『グリーフ・オブ・グリーンの亡霊』…」 漆黒の"隊長"は剣型武装、ワールドストリームを取り出し、着地と同時にインセンス兵達を吹き飛ばした。 「やっぱりだ!報告に載っていた奴だ!」 「警戒しろ!恐らくコイツは隊長クラスだ!!」 取り囲むインセンス兵達はそのままロアに襲いかかる。 (…動きが遅い) ロアはそれぞれの攻撃を見切り、数人を斬り裂いて突破する。 「きた!?」 「砲弾をお見舞いしてやれぇ!!」 混乱しながらもインセンス兵は『魔の大砲』をロアに向けて放つ。 ロアは向かってきた砲弾をワールドストリームで真っ二つに斬った。 砲弾は爆発するが、対ラストアーマーの仕込み兵器は不発する。 『ガーザスの戦い』で戦死した隊長、ガラン・グランが見せた対処法である。 ロアはそのまま大砲に接近し、1台目を破壊した。 「次…!」 流れるようにロアは戦場を駆け回り、2台目、3台目と大砲を破壊していく。 「くそっ、なんなんだこいつ!?」 「手がつけられん!」 インセンス兵は圧倒されるが、1人の兵がスナイプスターを放ち、ロアの足を止めた。 「軍隊長!」 インセンス兵達は歓喜の声でその男を呼んだ。 ロアはその男を睨む。 「軍隊長…。母さんを殺した男と同じレベルの奴か…」 かつてロアは"軍隊長"と戦ったことがあった。 当時はまるで歯が立たず、トドメを刺される手前でスタットに助けられた。 「今の俺なら…やれる…!」 ロアはワールドストリームを構えると軍隊長の男に向かっていった。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!