咆哮

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軍隊長の男も同様に剣を構え、ロアの攻撃を受け止める。 「お前か?最近『亡霊』と呼ばれてる妙な男は。だが見たところ動きがまだ若い。隊長の器にはまだ早いのではないか?グリーフ王国も落ちたものだ」 つらつらと語る男の言葉をロアは間に受けなかった。 「ああ、そうだな。だが器かどうかなんてのはもうどうでもいいんだ。俺はお前達を潰せればそれでいい…!」 「だからガキだというんだ」 余裕そうな軍隊長の男とロアは何合か打ち合った。 しかしロアは動きの緩急を急速に変え、男の動揺を誘う。 「!?くっ!」 反射的に男は剣を振るがそれを見切ったロアはバックステップで躱し、そのまま懐に飛び込んで深く斬りつけた。 まともに食らった男は驚きの表情のまま絶命した。 「うわー!軍隊長ーっ!!」 インセンス兵達は驚き叫ぶ。 「いける…。俺はもう、戦えるんだ…!」 自分の強さを認識したロアは掌を見つめながら力強く言う。 「母さん、隊長…。見ててくれ」 「う、撃て!早く奴を仕留めろっ!!」 1人の号令によってインセンス兵達はロアに向かっていく。 「そうだ、向かってこい!そして俺を強さを知るんだ!!」 勢いに乗ったロアもインセンス兵へ突っ込んでいく。 周囲のグリーフ兵達はロアの鬼気迫る様子にただ見ている事しか出来なかった。 「うおおおおおおおっ!!!」 雄叫びを上げながらロアは暴れまわる。 この日、ロアは作戦の核である魔の大砲を5台破壊し、それを阻止しようとした軍隊長を4人討ち取った。 インセンス軍は為すすべもなく、フリースカイから撤退していくのだった。
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