勝利の亡霊

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ー王都ソレイユー ~王の城、玉座の間~ 「済まないな、隊長諸君。最近招集の機会が増えてきてしまっているが、あいも変わらず事態は深刻だ。各々の活動報告をお聞きしたい。ではパラディン殿、司会をよろしく頼みます」 大臣は最初の挨拶だけ済ますと、王の隣へ座り、会議を傍観する姿勢をとった。 「…とまぁいつも通りそういう具合だ。野次を飛ばすうるさい奴はもういないが、一応俺から話を振っていこう。先ずはシルヴァからだ、報告を頼む」 総隊長、シャイン・パラディンは"グラン"という戦死した隊長の姿を脳裏にチラつかせ、身体の大きい隊長の名の報告を聞いた。 「我々『アドベント・シルヴァ隊』はガーザスを除いた東の国境の警備を行なっていた。だがインセンス軍はあくまでガーザスを拠点に侵攻を行なっているようだ。何人か兵を見かけはしたが、大規模な軍との接触はない」 「なるほど。ガーザスはお互いの生命線のようなものだ。堕とすことで攻めやすさが格段に上がるからな。だがそれはある種シルヴァが他の国境に抑圧をかけているからとも考えられる。わざわざ正面から隊長と戦うほどインセンスも馬鹿じゃないが、敵の出所を絞り込めるのであればそれを利用して集中的に叩けばいい。引き続き、警備は続けてくれ」 「了解した」 パラディンがフィードバックをするとシルヴァはそのまま頷いた。 「ローザはどうだ?」 パラディンは続けて唯一の女性隊長の名を呼んだ。
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