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「あ、あ、あ……。い、いまのは……いまのも魔法、なのですか……?」
その姫様は、あわあわ言いながら混乱している。
目が、ぐるぐる目だ。あかん。またなにかビックリさせてしまったらしい。
『ザザザ……当ったり前じゃ……! 移動魔法ローベも、4代目勇者の時代に……勇者の仲間のひとり、賢者メビウスが開発したもの……! ザザザ……その時代にはないんじゃぞ……ザザザ……!』
宝玉が、また雑音を発する。
リプリカ様がなにか言っているんだろうけど、聞き取れない以上、どうしようもねえ。
「え、エルド様。あなたは、あなた様は、いったい何者なのですか? こんなすさまじい魔法を次から次へと使うなんて!」
「うーん、俺、大したことしてないと思うんだけどなあ。これも初歩の魔法だし」
「しょ、初歩!? こんなとんでもない魔法が初歩だなんて! 王宮の魔法使いでも、こんな魔法を使うのは無理っ……!」
ルティナ姫は驚愕の表情だ。
そんなに驚かれても、なあ。なんだか一桁の足し算ができて褒められてる程度にしか感じないぞ。
ま、とにかく村に入ろう。宿をとって、食事を食べて、あと姫様のために新しい服くらい買わないとな。
「ひとり一泊15バルク。おふたりさまだと30バルクになります」
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