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やはり俺の直感は当たった。ここの店主、ろくでもねえぞ。
とはいえ、いまは剣を下取りしてもらわないとどうにもならない。
こんなオッサンに、俺の持ってる安物の剣を見せたらそれこそ罵倒されそうだが……。
しかしこの村じゃ下取りしてくれそうな武器屋はここしかなかった。とりあえずここはなんとか、このボロ剣を売るしかないぜ。
「いや、悪い。その通り、てんで大した武器じゃねえんだけど、まあこれ見てくれよ」
俺は腰のベルトから剣を引き抜いて、オッサンに差し出す。
「ふん、大したもんじゃないのは分かっとるわ。ああ、嫌じゃ嫌じゃ。また今日もへんてこりんな剣を見せつけられて――って、うえええええええええええええ!?!?!?!?」
「な、なんだなんだなんだ!?」
オッサンが突然、声を張り上げたので俺もビビった。
彼はサヤから俺の剣を引き抜いて、そして驚愕しているのだ。
「は、はがねの剣じゃねえか! こ、こんなもん、どうしてお前のような若僧が!?」
「はがね……いや、そりゃ……はがねだけど、それがなにか?」
「分からねえのか!? はがね製の剣なんて貴族か大商人しか取り扱えないシロモノだってーのに、お前、どこでこいつを!!」
「どこって、町の古道具屋で」
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