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アークとの冒険の日々を思い出すぜ。
あのころは貧乏で、安宿ばかりよく泊まったもんだ――
ぱたん。
「……ん? どうした、ルティナ姫」
見るとルティナ姫が、持っていたスプーンを机の上に落としてしまっている。
「エルド様。あの、寝室は……わ、わたしとエルド様ふたり、ご一緒なのでしょうか?」
「なに言ってんだ、当たり前だろ」
「あああ、当たり前なんですか!? ……そ、そうですね。わたしは助けられた身……。なにを求められても『はい』としか言えない立場。ああっ、でも……そんな、はしたない……だけど、エルド様ならば……。ああ、でも、恥ずかしい……!」
ルティナ姫は顔を真っ赤にして、なおかつ、豊満な胸の前で腕をクロスさせながら全身を左右に揺らす。いやいや、って感じ?
いや、なんでこんなに反応してるの、このお姫様。
いま、俺とルティナ姫はいっしょにいる、いわゆるパーティーみたいなもんなんだから。
パーティーなら同じ部屋に泊まるのは当然でしょ。俺もアークと旅をしてたころはそうだったぜ?
「構いません。わたし、あんなことやこんなことをされても、じっと我慢しておりますから……! ああ、でも……か、顔を見ないでください! 恥ずかしいっ……!!」
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