第4章 魔法戦士の決意、ってか俺だってやるときゃやるからな?

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 俺は仕立て屋の前。すなわち外にいた。理由? そりゃ中では女性が服を試着しているんだから外に放り出されますわな。当然な。  でも、ただ放り出されただけでは終わらない。  俺は仕立て屋から出ていくとき、店の主人に頼んで、『あるもの』を貸してもらった。  その『あるもの』とは―― 「これが、この時代の世界地図か」  そう。  初代勇者の時代の世界を把握するべく、地図を借りて目の前に広げていたのだ。  地図の中心には、ひし形の大地が描かれている。  ディヨルド王国が支配しているディヨルド大陸だ。  大陸の中心にはディヨルド王宮とその城下町があり(数千年後には俺が入りびたることになる酒場もその城下町にあった)、大陸の各所には町や村やダンジョンがある。この山奥の村も、ディヨルド大陸北東の山中に位置している。  そのディヨルド大陸の東側には、ひし形の土地を半分囲むかのように、三日月型の大陸が広がっている。複数の王国や町が存在するオルスペリア大陸である。  そして地図の北東部分。  星の形にも似た、ややイビツな形をした大地がある。  オデスド大陸。数千年後、11代目の勇者アークが倒すことになる魔王が支配していたところ。     
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