第4章 魔法戦士の決意、ってか俺だってやるときゃやるからな?

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 しかし……確か、うっすらと記憶があるのだが、確かこの時代の、いわゆる初代魔王の本拠地も、オデスド大陸だった気がする。歴史にはあまり詳しくないのでうろ覚えだけど。 「モンスターとか魔王とか、闇の属性の者が集まりやすい場所があるのじゃ――って、確かリプリカ様が言っていた気がする。オデスド大陸がそうなんだろうな」  そのリプリカ様。  俺に、この時代の勇者の代わりになれって言っていたな。  俺にそんなこと務まるとは、やっぱり思えねえけど。――しかし本当に初代勇者がこの世界にいないのなら、誰かがやるっきゃねえ。  魔王を倒す。  俺が。……パーティー最弱の俺。  …………。  ……俺がやるしか……  ……ないんだろうな……。  ……あああ、プレッシャーっつーかなんつーか。 「てか初代勇者アリアさんよ。あんたどうして、この世界に存在しないんだ? 分かんねえなあ、もう――」 「エルド様、お待たせしました」 「おっと!」  突然、背後から声をかけられてちょっとビックリした。  振り返ると、そこにいたのは、まあ予想通りというかルティナ姫。  おお、そしてすっごい綺麗になってる! いやもともと美少女だったけど、顔の汚れとか取れて、髪の毛もすいて、その上、着ている服が新品になっている。皮のドレスにマントにブーツ、それに手袋まで装備しているぞ。 「似合ってるじゃん。可愛いよ、ルティナ姫!」     
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