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「か、可愛いだなんて、そんな。エルド様ったらお上手ですね」
「いや、お世辞なんかじゃなくて本当に。まあ姫様なんだから美人なのは当然だけどな」
「エルド様にそこまで褒めていただけるなんて……嬉しい……。わたし、幸せです……」
姫様は、顔を真っ赤にしてはにかんでいる。
ちょっと上目遣いになったその表情が、俺も思わず照れてしまうほど可愛かった。
さっきちょっと話したときに知ったけど、ルティナ姫は俺と同じ17歳らしい。だけど俺が知っているどんな17歳の女の子よりも、彼女は美しかった。
リプリカ様?
いや美人だけどあの人は、ロリっ子に見えて俺よりはるかに年上だからなあ。ぶっちゃけBB、
『……ザザザ……エルド……』
もといお姉さんだからな!
俺とは釣り合わないよ、うん!
って、俺は誰に向かって言い訳しているんだか。
いまふと、『時の宝玉』から、よく分からないがすさまじい殺気を感じたので、思わず心の中でフォローした。
リプリカ様は心が読めるから迂闊なことを考えられないんだけど、もしかしてまだ、宝玉を通じて俺の様子を見ているのか?
……まあ、いい。
とにかくルティナ姫の服装も整ったことだ。
「じゃあ姫様、宿に戻ろうか」
「はいっ!」
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