第4章 魔法戦士の決意、ってか俺だってやるときゃやるからな?

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 ルティナ姫、買ったの? そんなもの。  ……なんのために?  たぶん、そんなに防御力ないと思うけど。  とりあえず本人恥ずかしがってるし、聞こえなかったふりをしておくか。  しかし――  俺は、フッと笑った。  久しぶりだな、この感覚。  仲間と旅をしている感じがする。  アークや他の仲間と旅をしていたときも、なんかこんな出来事があった気がする。  誰かがアイテムを買いすぎて、それを誰かが注意して、それを誰かがまあまあとたしなめるような。  あのころは楽しかった。  こんな時間がずっと続けばいいと思った。  けっきょく俺は、旅に同行できなくなってしまったけど。  もう一度、こんな時間を作れるんだろうか。  はるかな時間をさかのぼったこの時代の冒険で、きっとこの世界で出会える仲間たちと。  それならば、頑張ってみる価値はあるかもしれない。  俺が。――この俺が。  いなくなった勇者の代わりに、魔王を倒す。     
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