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レイピアを持った少女は、アイネスとかいう名前らしい。
それも騎士っていわれてるな。装備の良さといい、彼女の身分は普通の兵士より上っぽい。
ところで、そのアイネスのセリフを聞いて、俺はピンときた。俺の瞬間移動魔法を見て、こっちのことを魔王の手下だと誤解しちゃったわけだ。
「見れば見るほど、魔族っぽい輩め。この王宮になんの用か知らないが、このアイネス・リルヘイムに見つかったのが運の尽きだったな」
アイネスとやらは、微妙に得意そうな顔で剣を構えた。
それに続いて兵士たちも次々と獲物を構える。おいおい、待てよ、マジで戦う気? ちょっとはこっちの話を聞いてくれ――
「皆のもの、いい加減にしなさい!」
そのときだ。
俺の後ろにいたルティナ姫が一歩前に出て、アイネスたちを怒鳴りつけたのだ。
「えっ、る、ルティナ姫様!?」
「ほ、本当だ。みずぼらしい格好だが、姫様だ」
「さ、さらわれたはずの姫様がなぜここに?」
兵士たちは、がやがやと騒ぎ出す。
「こちらは魔法戦士エルド様。わたしを魔王の部下のドラゴンから助けてくださった方です。魔族だなんてとんでもない」
「えっ!? こ、この男が、姫様を!?」
アイネスは、琥珀色の瞳を大きく見開かせる。
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