第5章 だから王様ってケチだったんスか

3/9
前へ
/114ページ
次へ
「そうですとも。――申し訳ございません、エルド様。王宮のものがとんだ粗相(そそう)をいたしまして」 「いや、構わねえよ。にしてもルティナ姫は慕われてんなあ、みんな心配してたみたいだぜ? ははは」 「ま、待て、貴様! 魔王の手下でないのは分かったが、姫様に対してなんたる口の利き方を!」 「いいのですよ、アイネス! エルド様はいいのです」 「し、しかし……。……このヒョロヒョロした男が……魔王軍最上級モンスターのドラゴンを倒して姫様を助けた? そんなバカな……どうやったのだ。どうやったらそんなことができるのだ……」 「アイネス! いい加減にしなさい!!」  ルティナ姫は金切り声をあげ、女騎士アイネスはまだ疑り深い眼差しで俺のことを見つめてくる。  どうやったのだ、どうやったのだって、ずっと言い続けている。いや、そんな風に言われてもなあ。 「どうやったもなにも、大したことはしてねえんだよ。実際、ドラゴンなんてザコだしさあ」 「ザコ? ドラゴンが? 貴様、なにを言っている?」 「いやだって、本当にザコじゃん。ドラゴンなんて瞬殺だぞ? 軽くはたいただけで倒せたし。こんなふうに」  ひょい。  パキィン!! 「…………え?」     
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

178人が本棚に入れています
本棚に追加