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「そうですとも。――申し訳ございません、エルド様。王宮のものがとんだ粗相をいたしまして」
「いや、構わねえよ。にしてもルティナ姫は慕われてんなあ、みんな心配してたみたいだぜ? ははは」
「ま、待て、貴様! 魔王の手下でないのは分かったが、姫様に対してなんたる口の利き方を!」
「いいのですよ、アイネス! エルド様はいいのです」
「し、しかし……。……このヒョロヒョロした男が……魔王軍最上級モンスターのドラゴンを倒して姫様を助けた? そんなバカな……どうやったのだ。どうやったらそんなことができるのだ……」
「アイネス! いい加減にしなさい!!」
ルティナ姫は金切り声をあげ、女騎士アイネスはまだ疑り深い眼差しで俺のことを見つめてくる。
どうやったのだ、どうやったのだって、ずっと言い続けている。いや、そんな風に言われてもなあ。
「どうやったもなにも、大したことはしてねえんだよ。実際、ドラゴンなんてザコだしさあ」
「ザコ? ドラゴンが? 貴様、なにを言っている?」
「いやだって、本当にザコじゃん。ドラゴンなんて瞬殺だぞ? 軽くはたいただけで倒せたし。こんなふうに」
ひょい。
パキィン!!
「…………え?」
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