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「皆の者、分かりましたか? エルド様はこのようにとてもとてもお強いのです。私をお助けできたのも当然のことです」
「は、はい……。分かったような気がします……。しかし、それにしてもレイピアを折るなど……」
アイネスはまだ呆然としている。
「レイピアはお父様にお願いして、修理していただきます。さあ、それよりもエルド様、お城の中に入りませんか? きっと父はエルド様のことを大歓迎してくださるはずです」
「あ、そうか? うん、よし。じゃあ行こうかな」
ルティナ姫に促されて、俺はディヨルド王宮の中へと向かっていく。
兵士たちも、俺たちと共に王宮の中に一緒に戻っていく。
ただ一人アイネスだけは、まだ疑惑の気持ちがあるらしく、
「ありえない……魔法戦士エルド、だと……? 素手でレイピアを……ありえない……」
ありえないを連呼して、折れたレイピアをじっと見つめていた。
「いやはや、見事! 見事なり、魔法戦士エルドよ! まさかルティナを助けてくれる者が現れようとは……。けほ、けほけほ」
「お父様、ご無理をなさらないでください。お体にさわりますよ?」
ディヨルド王国の国主、ディヨルド7世は、痩せぎすの身体でせきこみながら、俺の功績を讃えてくれた。
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