神殺し(ゼロス)

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 第一陣は威嚇がメインだ。ようは、鼠の巣に突入する猫のような役回りで、屋敷の中にいる人を捕らえつつ外に出す。  今回は武力に自信のある者などいないというオーウェンの言葉を信じて確実に捕らえる事にした。一気に大人数が屋敷に押し寄せても身動きが取れない。 「第二陣は出入口付近に隠れて待機。出てきた者を各個捕縛してくれ。メンバーはコンラッド、ハリー、ドゥーガルド、トレヴァー、トビー、ピアース、チェスター」  視線を向けると、彼らはしっかりと頷いた。  それに続けて、ゼロスはコナンに視線を移した。 「コナンは少し離れて全体を見て、動きを指示してくれ。逃げて行く奴がどこに向かうかを追尾して欲しい。必要なら弓を使って構わない。足を狙ってくれ」 「分かったよ」 「クリフは後方支援を頼む。怪我人がまったく出ないとは限らないから」 「了解」  コナンとクリフは互いの使命をそれぞれ持って頷いてくれる。  そうして最後にアシュレーを見て、ゼロスは一つ頭を下げた。 「アシュレー様は第二陣の更に外側を囲ってください。取りこぼしの確保をお願いします」 「あぁ、構わない。お前達の成長をしっかり見せてくれ」 「はい!」     
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