再会

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 冷たく痛い石の床。後ろに押し当てられた幼い昂ぶり。それは確かに恐怖だった。  けれど、前のように飲まれていない。「怖い。止めて」と叫ぶ自分の更に奥に、冷静な自分がいる。  それでも当時の自分の感情は伝わってくる。恐怖。けれどその奥にあるのは混乱だ。信じていた、大好きだ。だからこそ、怖いと叫んでも止めてくれないこの行為に戸惑い、悲しい気持ちがある。  でもやっぱり恨みなんてない。憎しみなんてない。これは明らかな強姦なのに、俺はこの人の事を嫌いだなんて思っていない。  押し当てられたものが、グッと力を込めてこじ開けようとする。走る痛みは裂けてしまいそうなものだった。  ダメだ、叫ぶな。今声を上げたら大変な事になる。我慢しろ。我慢しなければならないのに!  言いようのない焦りが俺の中にはあるのに、記憶は変わらない。痛みに耐えられない。悲鳴を上げたその声に、ドアが開いて人が雪崩れ込んでくる。 「何をしている!」  入って来た男が無理矢理――兄ちゃんを引き離そうとしている。けれど兄ちゃんはそれを拒んだ。俺の中にある熱が締めつけに大きく育つ。 「この、クソガキ!」 「っ!」     
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