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目が覚めた時、部屋は明るかったけれど窓の外は暗かった。
覗き込むようにしていたエリオットの顔に安堵の表情が浮かぶ。その後ろには心配そうなファウストもいた。
頭痛がする。でも、スッキリと全部を理解した。ランバートは体を起こし、軽く頭を振る。そして、ファウストとエリオットを見た。
「心配しました。なかなか目を覚まさないので」
「すみません、もう大丈夫です」
心臓が早くなって、少し苦しい。何度か深呼吸をして落ち着くと、ファウストが水を差しだしてくれた。
「有り難う」
「……思いだしたのか?」
「……うん」
ファウストの気遣わしい表情を見上げ、ランバートは重く頷く。水を飲み込むと、また少し落ち着けた。
「俺が、全部の原因だった。俺が我が儘を言わなければ、オーウェン兄ちゃんは右目を失う事もなかったんだ。全部の原因のくせに俺、全部忘れてなかったことにした。本当に、最低だ」
落ち着いたと思ったけれど、思い出すと涙が出てくる。悲しいからでも、怖いからでもない。ただただ取り返しの付かない事をしてしまった自分に対する罪の意識と、オーウェンに対する懺悔の気持ちだった。
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