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背を、尻を、太股の内側を、触れているかいないか分からないくらい際どい感覚が行き過ぎる。体温を感じているけれど、それだけで触れられている気がする。
これだけで、体が熱くなった。とろ火で炙られて、切なくなってくる。快楽を知る体はこんな僅かな事にも疼いてくる。
「ファウスト」
「触れて欲しいか?」
「んっ」
横になって向かいあったまま、静かに唇が首筋を滑る。これは、触れている? 近すぎる熱に肌は反応して心地よいと思わせる。けれど、触れてくれている?
「ファウスト……」
「くくっ」
「遊ばない、で。なんか、今日……」
敏感になっている。
しっかりと唇が首筋に触れ、優しくキスを落としていく。同時に背を、手が撫でる。際どい部分にも熱が触れる。
たったこれだけだ。なのに体は反応して前が緩く頭をもたげる。欲しいと飢えているみたいに反応していく。それが少し恥ずかしくて顔を背けた。
「どうした?」
「どうもしない。っ! もぉ、ちゃんと触ってくれって」
大きな手が胸の辺りをやんわりと撫でるが、その指先は頂きには触れない。それでも何度か指先で周囲を撫でられると自然と立ち上がってきてしまう。ジンジンと奥の方も疼いてくる。
「はぁ…………ぁぁ……はぁ……」
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