覚えのない再会

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「どうやら、オーウェン義兄様が王都勤務になったようですわ」 「彼が王都勤務? それは見過ごせませんね」  嫌な事が起こらなければいいが、その前兆があるからこそ彼がここに呼ばれたのだろう。愛しい娘と孫が側にいるのは嬉しいが、国を思えば憂いもある。 「ランスロット、何も言ってませんでしたね。同じ職場なのだから、教えてくれても良さそうなものなのに」 「言える訳がありませんわよ。ランスロットお兄様は秘密も多い立場ですし、オーウェン義兄様の仕事は特殊で秘密ですもの」  それもそうなのだが、冷たい息子達だ。  何にしても、気苦労が多くなりそうだ。彼が出るなら教会は今頃慌ただしいだろう。国まで巻き込むような事がなければいいのだが。 「悪魔殺しのオーウェン。我が婿殿ながら、仰々しい二つ名だね」  これから起こりうる様々を思って、コーネリウスは一つ溜息をつくのだった。
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