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鋭角に最奥を抉られた瞬間、目の前がチカチカした。ギュッと締まった部分でファウストを抱きしめて、最後の一滴までも絞りだそうとしているみたいだ。同時に前からも白濁を散らしたランバートの中で、ファウストも押し込むように熱を放っていた。
「ファウスト……っ」
キスが欲しい。後ろを向いたその唇に、優しいキスが落ちてくる。未だ奥に熱を吐き出しながら、時折綺麗な柳眉を切なげに寄せながら、甘やかすようなキスをくれる。
気持ち良くて意識飛びそうなのに、この人のこんな切なくて綺麗な顔を見るのは初めてかもしれない。いつもだろうに、今まで見ている余裕がなかったんだ。
汗だくのまま暫く互いの息が整うまで繋がったまま抱きしめられて、疲れもあってうとうとしている。
その首筋にキスをしたファウストがゆっくりと抜け落ちて、後を追うようにトロトロと吐き出したものも溢れてくる。それが今日は、寂しい気がした。
「ファウスト」
「寝てていいぞ」
「んっ、やだ」
今日は抱きしめて寝たいし、抱きしめられていたい。
子供みたいに我が儘を言ったランバートに笑いかけて、ファウストは手早く処理すると隣りに戻ってくる。
温かく優しい胸に縋り付くみたいにして、ランバートは穏やかな眠りに落ちた。
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