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チェルルやオーウェンが言うのにファウストは噛みつくが、これに関してはファウストの肩を持てないランバートだった。
程なくして執事が呼びにきて、家族用の食堂に移動する。そこには既に父ジョシュアと、母シルヴィアがいて、全員を待っていた。
「あぁ、待っていたよお前達」
「いらっしゃい」
主賓の席についた両親の隣りにはアレクシスとエレノアが。両親の向かい側にはハムレットとチェルルが。その隣りにランバートとファウストが座り、更に隣りにオーウェンが座った。
「まずはそれぞれ、改めてだが名乗ろうか」
食前酒が運ばれる前にと、ジョシュアがシルヴィアと共に立ち上がる。そして全員を見回した。
「ヒッテルスバッハ当主ジョシュアと、その妻シルヴィアだ。ここに居る者全てを、当主として歓迎する」
「よろしくお願いするわ、みんな。今後もこの家を盛り立てていって下さいね」
堂々と振る舞う父と、ニコニコと嬉しそうな母。けれど案外重いものもあって、ランバートは隣のファウストを見る。
これに習って自己紹介となれば、当然ファウストを伴侶として紹介する事になる。異論はないけれど、突然だと緊張するのだ。
アレクシスとエレノアが立ち上がり、同じく全員を見て軽く会釈をする。それに倣い、エレノアも会釈をした。
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