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「アレクシスと、その妻エレノアだ。この度結婚の運びとなった。今後とも、妻共々よろしく頼む。まだまだ若輩故、皆の力を借りる事になるあろうが、この家を守る者として精一杯努めさせて貰う」
「エレノアです。この度アレクシス様と良き運びとなりましたことを、皆様にご報告させて頂きます。至らない部分が多々あるでしょうが、日々努力して行きますのでどうぞ、ご指導くださいませ」
新婚もまだの二人の決意を聞き、自然と拍手が起こる。
そうして次は隣のハムレットが立ち上がったが、チェルルはまだ戸惑い気味で立ち上がれなかった。
「猫くん、立って」
「うっ、ん」
そろそろっと立ち上がったチェルルの隣りにしっかりと寄り添ったハムレットは、真っ直ぐに両親を見ている。そして、挑むような目で言葉を伝えた。
「次男、ハムレットとその伴侶チェルルです。僕はこの子以外を伴侶とはしないので、この場を借りて堂々宣言いたします。ですので母上、僕の許しなくこの子を街に連れ出して着せ替え人形にするのは止めてもらいたい!」
「あら、可愛いのよチェルルくん? 何を着せても愛らしくて」
「あっ、あの! 奥様その……」
「チェルルは黙ってる!」
なるほど、こっちはこっちで溜まっているものがあったらしい。怒るハムレットに慌てるチェルル。それを余裕の笑みで返す母はさすがなものだ。
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