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「オーウェン・アイゼンシュタインです。本当はここの兄弟ではないんだけれど、幼少の頃を沢山ここで過ごさせて貰ったので今日は特別枠です。この度地方の教会から、王都に永住となりました。本日はいませんが、妻と娘がおります。娘が熱を出してしまい、こちらに顔を出せず妻も残念がっておりました。またの機会にお会いしたいと申しておりましたので、その時には仲良くしてやってください」
にこにこと機嫌良く話し終えたオーウェンが座る。
アイゼンシュタインの婿養子になったとは言っていたけれど、娘までいるのは知らなかった。それに、王都勤務なんだ。
事件後の少しの時間では語りきれなくて、今何をしているかよりも、昔こんな事があったという話しで盛り上がってしまった。結果、ランバートはオーウェンの今をあまり知らなかったのだ。
「さて」
ジョシュアの視線がランバートに刺さる。こうなればもう出たとこ勝負だ!
「ランバートと、恋人のファウストです。普段は騎士団にいます。その……後どのくらい恋人として過ごすのか、先に進むのかはわかりません。ですが、進みたいという気持ちはあるので、その時には改めてご報告に伺います」
緊張と恥ずかしさに心臓バクバクしてる。細かく震えてる。それに、ファウストの了承を得ずに色々言ってしまった。
隣を見ると、ファウストは嬉しそうな顔をしている。だからこれで間違いないのだと、どこかホッとした。
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