391人が本棚に入れています
本棚に追加
「紹介に預かりました、ファウスト・シュトライザーです。ランバートとは、公私共に良きパートナーとして今後も過ごしていきたいと思っています。そこで、ジョシュア様にこの場を借りてお願いがございます」
「なんだい?」
「父とちゃんと話しをしてからと思っていますが、そう遠くないうちに彼と籍を入れたいと思っています。その時には改めてご挨拶に伺いますが、了承を頂けるでしょうか」
真っ直ぐな言葉に、ランバートの方が緊張する。正直もう、心臓が痛い。
ジョシュアは真っ直ぐにこちらを見ている。いいのか悪いのかも分からない様子に、不安が募るばかりだ。
「ファウスト」
「はい」
「アーサーの許可が下りたら、私に否やはない。うちの馬鹿息子を今後もよろしく頼む」
「はい!」
力をえたようにファウストは返事をして、ランバートを見る。その瞳の深さにドキドキが止まらない。父も不意打ちだが、それ以上にこの人は不意打ちだ。
「いいわね、一気に賑やかになって。そうだ! アレクシスの結婚式の裏でチェルルちゃんも結婚式する? きっと可愛いわよ」
「うぎぃ!」
「母上!」
「あら、いいじゃない。私が飛びきり素敵なドレス仕上げてあ・げ・る」
「俺は男です!!」
青い顔したチェルルがハムレットにしがみつき、ハムレットは抱きしめて威嚇する。そんな二人をシルヴィアはからかい、アレクシスは溜息、エレノアは微笑ましく見ている。
最初のコメントを投稿しよう!