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正直、ゼロスはそのつもりできた。
別に盛っているわけではないが、使い果たした気力を補充したい。そう考えた時に一番に頭に浮かんだのはクラウルで、抱き寄せられてキスをするのを考えると妙に安心したのだ。
クラウルは少し驚いたみたいだ。そりゃ、こちらから誘う事は少ないけれど、たまにはそんな気分の時もあるのだ。
「明日は仕事か?」
「休みです」
「では、いいな」
立ち上がるクラウルが手を差し伸べる。それに掴まり移動したベッドの上に、ゼロスは早々に押し倒されて深いキスをした。
「んっ」
自ら角度を変え、両手でクラウルの黒髪に指を梳き入れ、ねっとりと舌を絡めてキスをした。与えられる熱が心に染みる。こういうのが欲しかったんだ。なんだか冷えた心に、この熱さが欲しかった。
「珍しく積極的だな」
「なんだか久しぶりな気がしまして。心地よいので、続けてください」
意外そうな顔をするクラウルを見上げ、手を伸ばして受け入れた。面白い事に、抵抗気味の時には強引なのに受け入れると控えめだ。
この人は嫌がる方が興奮するのか? これを応用すると夜の営みについてはコントロールがきくだろうか。
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