闇(ファウスト)

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「ゼロスくん、今夜中にカタを付けます。奴等のアジトを根絶やしにします」  颯爽と部屋を出て行くオーウェンが居ないだけで、部屋の温度が温かくなった気さえする。それだけ恐ろしかったにちがいない。この部屋全体を、あの男が支配していた明かしだった。 「無用の殺生、止められるだろうか」  どうにも自信がないが、止めなければ。それがゼロスがファウストから受けた、密かな任務なのだから。
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