390人が本棚に入れています
本棚に追加
神殺し(ゼロス)
尋問後をボリスに任せたゼロスは、その足で宿舎のファウストを訪ねた。そこで、オーウェンが聞き出した情報と今夜にもという話を伝えると、彼はテキパキとアシュレーにも伝達を行いすぐに出られるように整えてくれた。
だが気になるのはファウストの様子だった。明らかに疲れ、浮かない顔をしている。
この人がこんな顔をする原因は一つしかない。ゼロスは気遣わしく彼に問いかけた。
「ランバートの様子、思わしくないのですか?」
ゼロスの問いかけに、ファウストはややあってから頷く。次には本当に心配そうな、一人の男の顔をするのだ。
「午前中に簡単なカウンセリングをした。これからもう一度催眠療法を試すそうだ」
「そう、ですか……」
オーウェンとランバートの間に何もなかったなんて、ゼロスは思っていなかった。オーウェンが攫われた一件に、ランバートも関わっているんじゃないか。それが、ここ最近のランバートの不調に繋がっているんじゃないか。
最初のコメントを投稿しよう!