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「なによカズマ! やられたの? 返事して!」
ライダーから飛び降りた者はヘルメットを脱ぎ捨て、倒れたカズマに大声で呼びかけた。ヘルメットからこぼれだした長い黒髪が、草原の風になびいて美しく光った。だが、その黒い眼光は怒りに燃えていた。
「……ユキ? ユキか。こ、こんなところに来たら危ないよ」
立ち上がろうとしてふらつくカズマを、ユキと呼ばれた小柄な少女が懸命に抱きとめた。
「こいつね、こいつがカズマをやったのね!」
ユキはカズマを抱きとめつつ、ヘルメットを拾い、呆然と立っているジョーに思い切り投げつけた。
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