小料理屋ラブフラワー休日

8/14
前へ
/73ページ
次へ
◆ ドンドンドンドン! ____ダーリーン! ____ダーリン起きてるぅ? ドンドンドンドン! ドンドンドンドン! ____モーニーン! ____ダーリンが世界で一番アイシテル、 ____愛華が起こしに来・た・ぞ!(ミャハ! ウ、ウルセ……一気に現実に引き戻された。 鍵のかかったドアの向こう(何度も愛華が侵入を試みるから南京錠を俺がつけた)、愛華がドアを壊す勢いでノックを、……コレ、ノックのレベルか?  と、とにかくノックをしながら起きてるかと聞いている。 や、愛華、たのむ、もうちょっとパワーを抑えてくれ。 マジ、身のキケンを感じるから。 ____ダーリーン! ____寝てるのぉ? ____ふむ、………………寝てるのか?  ____これはチャンスでは、 こ、(こえ)ぇぇぇぇ! なんのチャンス?  なぁ、ソレなんのチャンスゥ!? と、とりあえず返事をしないとヤベェ事になりそうだ。 「あ、愛華! 俺、起きてr」 言いかけた俺。 だがドアの向こうで不穏なゴソゴソ音と、やけに低い愛華の声が聞こえてきた。 ____ダーリンに告ぐ!  ____警告はした、が、返事がないので突入する! ____スリー! ツー!  「わぁぁぁぁぁ!! 待て! 待て待て待て! 起きてる! 起きてるからぁ!」 身の危険が現実味を帯びた。 俺はすぐさま飛び起きて、南京錠を外しにかかったのだが、手が震えてうまく開ける事が出来ない。 それでもどうにか開錠し、ガチャ! とドアを開けたそこには…… 「ダーリン! おはよ♪ もう! お寝坊さんなんだからぁ! 朝ゴハン、出来てるゾ! さぁさぁ顔を洗いにレッツゴォ!」 休日の愛華は髪を1つにゆるく結わき、ピンクのTシャツに(半袖)デニム生地のオーバーオール姿だった。 太ましい丸い身体にオーバーオール……悔しいがやけに似合ってるしチョットだけ可愛い(動物っぽい意味で)。 「お、おう。メシありがとな。だけどよ、頼む。普通に起こしてくれ。さっきのなんだよ、 ”警告はした” って、俺、マジビビったし、」 「やん! ごっめーん! ダーリンがぁ、起きてこないからぁ、愛華、1人でスパイ映画を見てたんだぞ! 主人公の ”ウーサン” が言ってたんだぁ!”警告はした” って! だからぁ、真似しちゃった! カッコ良かった?」 とかなんとか言いながら、今見たであろうスパイ映画のセリフをマネし始める愛華。 朝から元気だな……なんて流しつつ、顔を洗いに洗面所に行くと、その後ろを楽しそうに着いて来る。 なんだこれ、ロープレのパーティーかよ。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加