126人が本棚に入れています
本棚に追加
◆
ドンドンドンドン!
____ダーリーン!
____ダーリン起きてるぅ?
ドンドンドンドン!
ドンドンドンドン!
____モーニーン!
____ダーリンが世界で一番アイシテル、
____愛華が起こしに来・た・ぞ!(ミャハ!
ウ、ウルセ……一気に現実に引き戻された。
鍵のかかったドアの向こう(何度も愛華が侵入を試みるから南京錠を俺がつけた)、愛華がドアを壊す勢いでノックを、……コレ、ノックのレベルか?
と、とにかくノックをしながら起きてるかと聞いている。
や、愛華、たのむ、もうちょっとパワーを抑えてくれ。
マジ、身のキケンを感じるから。
____ダーリーン!
____寝てるのぉ?
____ふむ、………………寝てるのか?
____これはチャンスでは、
こ、怖ぇぇぇぇ!
なんのチャンス?
なぁ、ソレなんのチャンスゥ!?
と、とりあえず返事をしないとヤベェ事になりそうだ。
「あ、愛華! 俺、起きてr」
言いかけた俺。
だがドアの向こうで不穏なゴソゴソ音と、やけに低い愛華の声が聞こえてきた。
____ダーリンに告ぐ!
____警告はした、が、返事がないので突入する!
____スリー! ツー!
「わぁぁぁぁぁ!! 待て! 待て待て待て! 起きてる! 起きてるからぁ!」
身の危険が現実味を帯びた。
俺はすぐさま飛び起きて、南京錠を外しにかかったのだが、手が震えてうまく開ける事が出来ない。
それでもどうにか開錠し、ガチャ! とドアを開けたそこには……
「ダーリン! おはよ♪ もう! お寝坊さんなんだからぁ! 朝ゴハン、出来てるゾ! さぁさぁ顔を洗いにレッツゴォ!」
休日の愛華は髪を1つにゆるく結わき、ピンクのTシャツに(半袖)デニム生地のオーバーオール姿だった。
太ましい丸い身体にオーバーオール……悔しいがやけに似合ってるしチョットだけ可愛い(動物っぽい意味で)。
「お、おう。メシありがとな。だけどよ、頼む。普通に起こしてくれ。さっきのなんだよ、 ”警告はした” って、俺、マジビビったし、」
「やん! ごっめーん! ダーリンがぁ、起きてこないからぁ、愛華、1人でスパイ映画を見てたんだぞ! 主人公の ”ウーサン” が言ってたんだぁ!”警告はした” って! だからぁ、真似しちゃった! カッコ良かった?」
とかなんとか言いながら、今見たであろうスパイ映画のセリフをマネし始める愛華。
朝から元気だな……なんて流しつつ、顔を洗いに洗面所に行くと、その後ろを楽しそうに着いて来る。
なんだこれ、ロープレのパーティーかよ。
最初のコメントを投稿しよう!