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「愛華ぁ、ずっとずっとあやまりたいと思ってたのぉ、急にぃ、いなくなってぇ、あの時ぃ、色々あってぇ、で、でもぉ、愛華はぁ、ずっとずっと本橋さんのコトが好きでぇ……ヒックヒック……うぉぉぉぉぉぉおおおおおん!!」
猛獣みたいに泣き出す愛華。
目は腫れすぎて糸みてぇになってるし、顔も首も汗がダクダク。
Tシャツだって汗で色が変わってる。
ぷぷっ!
スッゲーなこの図は、さぁ、来い来い来い来い!
笑いの神よ、降りて来ーーーーい!!
と、思うのに、いや、無理やりにでも思おうとするのに、どーーーーーしても降りてこねぇ。
それどころか、悲しむ愛華がかわいそうで、い、い、い、い、……愛しく……感じて……えぇぇぇ!?
駄目だ、重症だ。
おかしくなってる、俺、完全におかしくなってる。
もしかして愛華のヤツ、メシに惚れ薬でも盛ってたか?
ん? 惚れ薬って、い、いや! 待て!
なんでココで “惚れ薬“ の発想が?
いやいやいやいや、おかしいだろ!
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおん!!」
ボスキャラの断末魔みたいに泣く愛華。
ウルセェったらねぇ、もういいや、どうにでもなれ。
とにかくコイツを黙らせないと、俺も一緒に泣きそうだ。
「愛華!」
バァン!
テーブルに両手を着いて立ち上がる。
愛華はビクゥッ! と身体を震わせて断末魔を一時停止で俺を見た。
「あー、その、なんだ。泣きやめ。大丈夫だ、俺は____」
ヤベェ! 俺、なにを言おうとしてる?
ヤメロ! もっと良く考えろ!
タノム! 俺、冷静になれ!
「俺も、愛華と一緒にいたいと、これからも、いたいと、……思ってる?」
おっかなびっくりそう言うと、愛華は顔中テカテカなままこう言ったんだ。
「……ダーリン、それホント? 嬉しいぃぃ……で、でも、なんで最後は疑問形なの?」
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