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ファンタジーな小説に出てくる精霊ですが、このお話はその精霊のお話です
自分の中で考える精霊とは何か、を考えながら書きました
よくエルフなどが精霊魔法として精霊を通して魔法を使っていたり、使い魔としてサラマンダーやシルフを使役していたり……様々ありますね
このお話の精霊は世界と人々を見守る役割、そして大地を正常に戻す役目を持っています
なので全体の数がとても少ないです
風ならば全ての風に、水ならば全ての水にそれぞれ一人、精霊が宿っています
話の主人公である花の精霊(ルーセルティオ)は生まれたばかりの精霊として書きましたが、世界が出来てくる(神が大地を作り、水を流し、植物を生やしなど)順番で生まれるので花は他の精霊よりも生まれるのが後なのです
意思を持つことができるようになったのは、動物達や虫達が生まれたから
人の形を持つことができるようになったのは人間が作られたからです
何事にも始まりがあったりします
森が広がり始めたのはただ単に栄養が回ってきただけ
まだ大地の偏りがあったので、土地が貧しい場所とそうでない場所の差が激しかったのです
これが後に大地の変動として大陸特有の物となります
竜は精霊の少し後に力の調整役と、溜め込みすぎた魔素をどうにかするために生み出される災害です
人の世にあまり出ることはないですが、幼竜はまだ人間の子供並みの思考しか持たないため人里に降りてくることがあります
精霊はネットワークを持ちます
それぞれが精霊王へとつながっていて、情報などは全てそちらから流れてきます
ルーセルティオの場合、送信(世界への問いかけ)で情報を知ることはできましたが、受信(精霊王、他の精霊からの問いかけ)は一緒にいた精霊樹に流れていたので沈黙を貫いていたと思われていました
精霊樹は器として以前、別の精霊が住処としていた場所で、精霊がなんらかの出来事でいなくなってしまったため電気水道が通っている空き屋みたいな感じになっていました
白い霧はルーセルティオが瘴気を取り除いて害のないものにしたもの、黒い霧は瘴気が混じった霧です
瘴気は人間が行なった禁呪によるものです
ちょうど精霊王が休息に入り、代理の精霊が立つまでの一ヶ月ほどの間を狙って精霊を介さない召喚術(召喚の仲介は精霊が行なっている)を行使したため
他世界のものはこちらの世界では馴染むことが出来ず、この世界で生きるための代償を払わなければなりません
魔術師は敵国との戦争が激化する中、出し抜こうとする気持ちと自らの研究成果(異界から大量の魔物を敵軍に召喚させる)を行なったものでした
異界の軍勢は全て意識を代償として本能のままに彷徨う瘴気となり世界を蝕みました
瘴気の結晶は軍勢の中の一つ一つの魂が固まったものなので、浄化で魂を帰すことで消すことができたのです
ルーセルティオも浄化はできましたが、魂のような強いものの浄化は近くに寄らないと効果がないので動けないルーセルティオには無理でした
それでも霧に含まれる瘴気から自らの森全てを守っていたのだからすごいです
一番初めの少女の手記と花の国パルルカの国王陛下の持っていた本は同じものです
少女の死後、一番近くで見守っていた侍女の娘が母の遺言通りに森の中に作られた街の一角、レンガを積まれてできた場所に花冠と共に隠して、それを時を超えて見つけたものでした
番外編は他に書く(予定の)物語の方に登場する方々のお話を精霊視点で書いたものです
深く気にせずさらっと流していただければ
ルーセルティオと森の木々みたいなものです(イラスト)
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