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鏡に映る自分が、見知らぬ女に思える。
今日のために新調した高価な青いドレス、重い真珠のネックレス。
ショートの髪には髪飾りが光っている。
普段はそんなもの絶対につけない。
あんた誰よ、と心の中でつぶやく。
本気であの子の結婚式に行くつもり? と。
ちょっと見るだけ、お祝儀を渡して式に参列したらすぐ帰る。
披露宴には参加しない。
あんな子、友達でも何でもない――
もう一人の自分が言い訳を並べる。
招待状が送られてきてから、頭の中はずっとこんな調子だ。
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