第二章メリー・アンニコルズ

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部活動、天体部も空を見上げて学ぶことも出来ない、基本的に空を眺めることをしない部活であるためいつもの日常とさほど変わらないだろうと俺は推測していた。いつもの三階教室の扉をスライドさせ挨拶をした。 「おはようございます」 教室を見渡すと今日は出席率がいい方だった。普段は川崎先輩と山田先輩がいるが今日は俺と同期の山條綾子(さんじょうあやこ)も出席していた。俺は彼女のことが苦手だ、前髪はデコが出るくらい短く水平に揃えている、肩に掛るか掛からないかのショートヘアーで猫の様な目付きで人を観察する様な大きい瞳は、心の奥底を見透かされそうで近寄りがたいオーラもある。一年でも彼女が可愛いと噂を流されたが容姿と性格の違いが様々な難があるため山條綾子はクラスでも既に一人ぼっちである。そもそも天才と凡人は時を同じだと考えたものはいないだろう。それは俺と天才、IQ二百五十のウィリアム・ジェイムズ・サイディズが同じ教室に隔離しても同じ学力では無いのは明白だ、それほど天才的で異質な山條綾子だからこそ凡人である俺は関わりを持ちたくなかった。だが、まさか部活動をやっているかやっていないのか、わからない天体部に彼女は入部したのだった。 「遠一、興味深い話があるぞ」     
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