第二章メリー・アンニコルズ

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第二章メリー・アンニコルズ

 とある一件の出来事があったのは束の間、六月の湿気と暖かい気温が教室に現れる梅雨時期。 古風ある弥和高校の校舎は横長で上から見ると漢字の一のように見える。校門前からは、校舎の右端から左端まで見える。目の前の校門を潜ると右側には自転車通学用の自転車置き場があり、左手には体育館がある。昔ながらの学校である為、別館や特別棟は無い。そのまま進むと、入り口の下駄箱が校舎の中央に設置されていてどの学年もそこから入り、生徒たちは左右に分かれる。下駄箱から右に向かう生徒は三年生で左に向かう生徒が一、二年生だ、そして理科室や音楽室、職員室等は三年生と同じ右側に設置されている。学校側は三年生は受験勉強に集中させるために分けていると考えられる。だから部活に向かう時にわざわざ職員室前を通らないと行けないのが少し面倒だ、毎回待っていたのかと思うほどに担任からのお手伝いをさせられてうんざりとする。朝の登校時刻からずっと弱い雨が振り続けている。放課後も雲が太陽の日差しを消して薄暗い曇天が空を覆う。俺たちの     
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