Invention

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 一通りの打ち合わせが終わると、みんなそれぞれの持ち場へと移動した。僕も自分の持ち場に移動しようと、一歩踏み出した瞬間、誰かに後ろから肩を叩かれた。誰だろうと思い、振り返ってみると、麗子博士が立っていた。 「ねえ、高澤(たかざわ)くん。ちょっと話があるんだけど、いいかしら?」  麗子博士は僕を見上げるように、上目遣いで、少しだけ首を傾けて言う。僕の心臓はバクバクと激しく高鳴る。 「は、話って何でしょうか?」 「まあ、とりあえず場所を変えましょう。二人きりで話ができるところがいいわ」  麗子博士の放った“二人きり”という言葉が、無駄に僕を興奮させる。いらぬ妄想が頭の中を支配して、自然と鼻息が荒くなってしまう。 「高澤くん、どうかしたの?」  麗子博士の声で、僕は我に返る。 「すみません。ボーッとしていました。二人きりで話ができるところでしたね。それでしたら、第一カンファレンスルームを押さえますので、そちらに移動しましょう」 「ありがとう」  僕は麗子博士の礼を聞いてから、第一カンファレンスルームを予約するために、庶務課へと走った。     
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