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ここにチャルーがいるのはいかにも不合理だった。しかし、そのアバターの特徴は、あらかじめ聞いていたチャルーのそれとぴったりであったし、リーダーもそう認識している。
「こないだはすぐに消えてしまって、どうしたんだ……?」
リーダーが話しかける。画面に表示された文字からも戸惑いが伝わった。
「待って──」
と、三条が前へ進み出る。
「チャルーさん、あなたは一年前、交通事故にあって死んでいますよね」
リーダーの動きが止まった。驚愕の事実を告げられて、アバターの操作から気がそがれてしまったのだろう。
母親はもうログインしていないというし、ならば第三者のアカウント乗っ取りなのか──。
「わたしは……死んでいる……の?」
チャルーのアバターが揺らぎ始めた。
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