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ホワイトデイには花束を 1
その日、彼女は考えていた。
何を考えていたのかというと、考えるまでもない。昨日の日付を見れば分かる。
3月13日。何の変哲もない日だ。しかし、これは重要な鍵を握る。それは明日3月14日がどれだけ重要かな、とてつもない強調さを明らかにするのだ。
「はあー、もうこんな時間か」
ボクは、ため息混じりに家を出た。
「ホワイトデー」。端的に言うと、「バレンタインデー」の対になる日だ。この国の習慣的には、一般的に、女性が異性もしくは同性に何らかの贈り物をする日が、「バレンタインデー」なのに対し、この「ホワイトデー」は異性同性関係なく、「ホワイトデー」で貰った人が「バレンタインデー」に自分に与えてくださった方にお返しをする日なのだ。
それが丁度明日来る。
学校に着くと、さらに悩んだ。
隣の席の酒見桜はボクの方を少しだけ気にして見て、直ぐに前を向き直った。教師に当てられたからだ。
「はい!」
(その問題は、そう答えるんじゃないぞ)
ボクは心の中でそう唱え、そして再び窓の方を頬杖をつきながら、見やった。多分答えが間違っているから、ボクの方に来るだろう。順番的に。
「えっと、そうだな……要」
「はい」
僕はスッと、席を立ちそして黒板にスラスラと書いていく。結構勉強は得意なので、これくらいは基本をしっかりとやっておけば出来なくはないのだ。
「よし、正解だ」
「それはどうも」
ボクは席に戻り、再び考えるのだった。
(さて、どうしようか)
と。
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