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 もう二度と元には戻らない。かつて透明だった私は消え去った。私は汚れている。だが、もはやそれすらも心地良い。  すっかり夜に辿り着いた頃合いで、まるで自室から出てきた様に父様と母様に微笑んだ。着替えてきますと一人きりになった後、騒ぎ続ける箇所に触れ、その指先を味わうように深く嗅ぐ。貴方の香り。  十六歳の孕んだ背後感。  ーー嗚呼、私もう貴方に逢いたいの。  end
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