びじんりんじん

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ところが、ある日を境に、彼女の姿がぱったりと見えなくなった。 (金がたまって、引っ越しでもしたのか) まあ、関係ねぇや。明日も早いし。と思って寝ていると、数日したある日。 何やらうめき声が聞こえてきた。 ーだ、ず、げ、で 男なのか、女の声なのか。判別しがたい声だった。オレは正直、ブルッた。コロシか? いやいや、気のせいだ、 と、自分に言い聞かせてみた。だが、その声は確かに、少しずつ、リアリティをもって、オレの耳に飛び込んできた。 ー助けて! いやいや、マジかよ。あの女、悪い男にでも引っ掛かったのかよ。こんなところで、コロシとか、マジ勘弁だぜ。
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