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目を覚まして周りを見るともう誰もいなかった。 窓からは夕日が差し込んでくる。英語の授業は6時間目だったから私だけ残されてみんな帰ってしまったのだろうか。 とりあえずトイレに行こうと廊下に出ようとした時、少し離れた場所から声がする。 女子と男子の会話のようだ。 「佐々木くん、用事って何」 しらじらしい。 「あ、まあ大したことじゃないんだけどさ。君に伝えたいことがあってさ」 どこかで聞いたようなセリフ、少しのオリジナル性もない。エセ占い師だって読める未来。 「うん。なに」 「あの、僕」 「うん」 「君とは付き合えないよ」 おっと話は予想してた以上に既に展開してたようだ。 「そっか、だよね」 「ごめん、でもきっとさだやまさんにはもっと良い人いるよ」 あっ。 「ありがとう」 これ。 「先帰ってるね。また明日」 私のいる教室の前を走り抜ける足音が聞こえる。 「待って」 思わずその言葉が漏れたのは私の口。 きっと彼にもさだやまさんにも届かない声。 ドアの前で力が抜けてそのままドアによりかかる。 足音には気づけないほどボーッとしてしまっていた。 寄りかかってたドアが開く。 私を見下ろすさだやまさん。 「〇〇さん。何やってるの」 声が出せない。 「ねえ、〇〇さん。聞いてる〇〇さん。〇〇さん。〇〇さん。」 「は、はい」 現実に繋がる。 体を起こすと目の前にはさだやま先生。 「先生。どんまいです」 「何を言ってるの。〇〇さん」 「すいません、寝ぼけてました。いまやっと完全に起きました」 それから私は英語の授業中にしょっちゅう当てられるようになった。
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