1.悪魔降臨

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1.悪魔降臨

たぶん、オレはもうすぐ殺される。 どこかもわからないこの薄暗い地下室で。 誰とも知らない奴らに。 でも、もういい・・・。 こんな事が続くのは耐えられない。 オレはどこにでもいるようなごく普通の高校生二年生だ。 一週間ほど前、自分の部屋で眠っているところを襲われ、 気付いたらここにいた。 20畳以上はありそうなだだっ広い部屋。 ワインレッドの毛足の長い絨毯と豪奢な調度品。 同じ色調の重厚なソファが、部屋の中心を向くようにいくつか配置されている。  天井には煌びやかなシャンデリア。 ちょっと見たらどこかの豪邸の応接間だと思うだろう。 でもそうじゃないことはすぐにわかる。 部屋の真ん中には大きな金属の台。 その周りの床だけはタイルで覆われており、排水溝が備えられている。 たぶん、犠牲者の血を洗い流すため。 窓は一つもない。 それで地下室だと思っただけなんだけど、 もしかしたら普通のビルの一室だったりするのかもしれない。 そしてオレは、部屋の片隅にある鉄格子の檻の中。
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