【雨の日に出会った妖と人は】

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【雨の日に出会った妖と人は】

 ――私は、雨が好きだ。  人の子には(あやかし)は視えない――それは当たり前のことだ。  だが、妖は人の子にその姿を視せることが出来るという。  それは力が強いモノ――所謂大妖怪と呼ばれるモノだ。  が、私は大妖怪でもなく、力が強いわけではない。  言ってしまえば、そこら辺にいる低級の妖だ。  低級は低級らしく、上級の縄張りには入らない。  誰の物でもない場所を、ただ自由気ままに過ごすのだ。  ――そう、私のように。
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