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3.闇夜の中の恋
「ほら、足元注意して」
わたしの手を取り観覧車へと、
恋へと乗せてくれる。
乗った観覧車の色は赤。
少しずつ少しずつ上に上っていく観覧車。
そしてわたしのドキドキの恋。
二人、右側に並んで座る。
少し揺れる度に触れ合う身体と
汗ばんだ肌と肌。
そして優しくわたしの手を包んだ彼の左の手。
トキメクーーーーー。
全部が熱を帯びて
彼の声さえ何処か遠くへ
消えて行きそうになる。
「どうかした?さっきから息が…」
「ううん。大丈夫。ただ…」
その瞬間、目の前に
大きな花火が上がった。
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