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「このまま海行こうか」
「…」
「ダメ?」
「ううん」
「ごめん、ちょっと車停めて」
「どうかした?」
「家に電話してくる」
「そうだね」
両側に田んぼが広がる田舎道で
ウインカーを点滅させながら
停まる車のそばでお母さんに電話する。
ーー大学の友達のところに泊まるから…って
それからまた走り出す車。
走り出したお互いの気持ち。
そして手を繋いだまま、そしてトンちゃんの肩にもたれたまま聴く三代目の夜がわたしを包んで行く。
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