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「いやっ!」
瞬間的に花火を見るのが怖くて
トンちゃんの胸に顔を伏せる。
「どうしかした?」
「は…なび…」
「花火?綺麗だよ、ほら見て」
「いやっ!」
耳を伏せて目を閉じても
聞こえる『ドーン』という花火の音。
その音が『別れの音』に聞こえる。
「いや…いや…見たくない…花火が…怖い…」
「なんで…どうしたの?カナちゃん!」
「怖いの…花火見たら…また…あの時のように…全部が消えて行きそうだから…」
「…」
「トンちゃんまで…」
「いなくなったら…」
「もう…一生花火見れない」
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