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-----次に目が覚めたのは、やたらと明るい光に溢れた世界だった。
『お目覚めかのう?』
その声は頭の中に直接響いてくるようだった。
聞き覚えはない。
どちらかといえば、老いた男の声だろうか。
「ん? ここはどこです? と言うかあなたは誰です? どこにいるんですか」
身体を起こして、聞き慣れない声に応える。
しかし、大体の予想はついていた。
「---やっぱり、死にました?」
『……うむ。残念ながら』
あっやっぱ。そうですよね。
『……お主、わざと死のうとしたのでは?』
「はい」
『即答か』
「はい。もう生きていたくなかったので」
『お主はそうでも、他に生きていて欲しかった者がいるのでは』
「いません。親とも連絡してません」
どこにいるかも分からない『声』に、少しだけ語気を強めて断言する。
相手は仮に「カミサマ」だと思っておこう。
人見知りでなかなか友達もできなくて、会って話すような友人は僅かだった。
いても年に何度か、趣味のイベントで言葉を交わす程度。
そもそも、彼女たちは友達だったのかな?
わたしがそう思っていただけで、向こうからしたらただのツイッターのフォロワーだったのかも。
『---つまり、お主には死んでも悲しむ者などおらなかったということか』
「そうです」
『それはおかしいのう。お主には寿命遺産の譲渡手続きが届いておるのじゃが』
……なんだって???
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