第4章 過ちだったのか

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なんとか、時間を下さる事で話がまとまり、私達は泉さんのオフィスを出て来た。 「寿命が縮むかと思った。」 「本当に申し訳ありません。」 私は社長の顔を見れずに、ただただ謝った。 「そんなに謝るな。」 「えっ?」 「俺も悪かったんだ。おまえのデザイン、散々蹴散らして。ああやって気に入って発注してくれる人もいるのにな。」 なんだか、嬉しい。 社長、こんどこそ認めてくれた? 「二人で、あっと言わせるようなデザインを作ろう。確か、パッケージに使いたいって仰ってたな。」 「はい。」 なんだろう。 この温かい気持ちは。 社長がいてくれてよかった。 社長が…… 社長が!? 私は、顔を真っ赤にした。 「どうした?」 「いえ……何でもないです。」 まさか、社長相手にドキドキするなんて。 それこそ、どうしよう……
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