第5章 出会うのは

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「今度の合コン、あったら誘って。」 同僚の子にそう言ったのは、次の日だった。 不思議と、泣けなかった。 短かったせいか、夢だったと思えば、納得できたから。 いつまでも、後ろを見てるだけじゃダメだ。 前を向かなきゃ。 そんな私に気を遣ってくれたのか、同僚の子が合コンに誘ってくれたのは、三日後だった。 「東村さん、彼氏欲しいんですか?」 私はわざと笑った。 「まあね。」 唇を直す私の顔は、同僚の子にどう映ったのだろう。 きっと、失恋を新しい恋で必死に打ち消そうとしているような、そんな顔に見えたかもしれない。 仕事も終わって、同僚の子と合コンの会場となるお店に行った。 お洒落なレストランで、雰囲気もいい。 こんな素敵な場所なら、相手も素敵な人だろう。
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